書籍紹介『7つの習慣に学ぶ手帳術』

時間術・仕事術

本当はやりたいことがあるのに時間がなくてできていない、と感じている人は多いのではないでしょうか。この本では『7つの習慣』をもとに充実した人生を送るための時間管理の方法が紹介されています。

『7つの習慣』では人生を充実させるためには自分が大切だと感じることに時間を割くことが重要だと説明されています。自身の人生を充実させるために「緊急ではないが重要なこと」を後回しにしないで実行するためにはどうしたらよいのか、がこの本を読むと理解できます。

こんな人におすすめ
  • やりたいことはあるが時間がない
  • 人生が充実していると感じない
  • 人生の目標が定まっていない
本の目次

Lesson1  「第3の習慣」✕ 手帳で人生が変わる
Lesson2  6ステップで「7つの習慣」の手帳術を実践しよう!
 Step1  1週間を3色蛍光マーカーで振り返る
 Step2  あなたの憲法を書き出す
 Step3  1週間の役割を明確にする
 Step4  1週間の目標を決める
 Step5  大きな石を先に入れる
 Step6  最優先事項を考えながら実行する

7つの習慣とは

スティーブン・R・コヴィー博士が、過去200年間の成功に関する文献を研究し、長期に渡り望む結果を得続けるための原則をまとめた、人生を豊かにする考え方、習慣です。

第1の習慣 「主体的である」
第2の習慣 「終わりを思い描くことから始める」
第3の習慣 「最優先事項を優先する」
第4の習慣 「Win-Winを考える」
第5の習慣 「まず理解に徹し、そして理解される」
第6の習慣 「シナジーを創り出す」
第7の習慣 「刃を研ぐ」

『7つの習慣』が気になった人はぜひ完訳版も読んでみてください。

この本で紹介されている手帳術は第3の習慣「最優先事項を優先する」を実践するための時間管理術です。

「自分の大切なこと」に時間を使えているか振り返る

あなたは日々を「自分の大切なこと」に使えているでしょうか。

・平日は毎日朝から夜まで仕事。夜も上司や同僚と飲み会で家に帰ると寝るだけ。

・ゆくゆくは独立したいという夢があり、生活のために別の仕事をしているが
 いつの間にか夢のための勉強や時間をとることをやめてしまった。

・仕事を頑張り、出世もし、お金は稼げるようになったが幸せだと感じない。

これらの人には9割の人が陥る「人生が充実していない理由」が潜んでいるといいます。

その理由とは次の3つです。

  • 自分の人生の「大切なこと」がわかっていない
  • 「大切なこと」はわかっているけれど、実行できていない
  • 実は自分にとって大切でないことを「大切なこと」だと思いこんでいる

人間は人生で「自分が大切だと思っていることを大切にできている」と実感できた時に満足感を得られます。

他人から見ればとてもつらい境遇でも、大切なことが明確であり、そこに時間をかけられている人は幸せだと感じられます。

「自分の大切なこと」とは

では、そもそも「自分の大切なこと」とは何でしょうか。明確に人に説明できる人は多くないかもしれません。

コヴィー博士は『7つの習慣』の中で、充実した人生を送るためには「最優先事項を優先する」ことが必要だと言っています。

『7つの習慣』の中で最優先事項とは次の図で説明されています。

この図は人生の出来事を「緊急か緊急でないか」と「重要か重要でないか」という視点から四つに分類したものです。

コヴィー博士はこれらのうち最も意識的に優先すべき領域は第2領域の緊急でない重要なこと、であると述べています。

多くの人は「緊急度も重要度も高い出来事」や「緊急度は高いが重要度は低い出来事」に時間を割いてしまいがちです。

そのため、最も重要な「緊急度は低いが重要度は高い出来事」に時間を使うためには、意識してその時間を確保しなければいけません。

この時間管理方法がこの本で紹介されている手帳術です。

「自分の大切なこと」に時間を使い、人生を充実させるための手帳術

では、具体的にどのようにすれば第2領域に時間を使えるようになるのか、実際の手帳術のステップをご紹介します。

Step1  1週間を3色蛍光マーカーで振り返る

まずは自分の先週1週間の予定を振り返りましょう。3色の蛍光マーカーを用意して自分の人生の役割ごとに、第2領域の部分に色を塗ります。

最近は手帳ではなくアプリでスケジュール管理している人も多いと思いますが、そういった人も1週間のスケジュールをプリントアウトして色付するのがおすすめです。

色分けの例

  • 自分自身の成長のための第2領域 → ピンク
  • 仕事に関する第2領域 → 黄色
  • プライベートに関する第2領域 → 青色

自分のスケジュールを振り返ることで、第1領域が多いな、第4領域で実感を使いすぎだな、などがわかると思います。

また、もう一つのポイントは「重要」の判断基準です。自分にとって重要かどうかは自分の中で軸がないと判断できません。この軸を明確にしていくのもこの手帳術のポイントです。

Step2 あなたのミッション・ステートメントを書き出す

ミッション・ステートメントはあなたがどのような人間になりたいのか、何をしたいのか、を明確にしたものです。これを手帳の最初のページ、PCのデスクトップ、スマホの待受などに書き出しておくことで常に「自分の大切なこと」を意識することができます。

Step3 1週間の役割を明確にする

1週間のうち、どの役割にどれくらいの時間を使うかを考えましょう。

この本で例として挙げられているのは①自分自信②仕事の役割③プライベートの役割、です。

Step4 1週間の目標を決める

自分の役割ごとに1週間の目標を決めましょう。このときの目標は第2領域に関するものを設定していきます。

Step5 「大きな石」を先に入れる

1週間の目標まで書き出せたらいよいよスケジュールに入れていきます。

ここでのポイントは「第2領域のスケジュールを先に入れる」です。

緊急度の高い第1領域や第3領域からスケジュールを入れてしまうと第2領域のスケジュールを入れるスキマがなくなってしまいます。第2領域については意識的に時間を使わないと後回しになってしまうので、「先にスケジュールを入れる」ことでその時間を確保します。

Step6 「最優先事項」を考えながら実行する

あとはスケジュールに書いたことを実践するだけですが、ここでも『7つの習慣』のポイントがあります。それは「予定を予定どおりにコントロールすることは難しい」と考えることです。

コヴィー博士は『7つの習慣』でこのように言っています。

『緊急度』ではなく『重要度』のパラダイムによる第2領域時間管理を実行すれば、時間を最も効率的に使えるようになる。たとえ状況が変わったとしても、自分の時間とエネルギーの効果的な使い方を決めるのに、『心の羅針盤』にしたがうことができる。突発的な出来事が起きたとき、計画していたことがより重要なことであれば、ためらうことなく計画を続行することができる。逆に、突発的な出来事のほうが重要であれば、自信を持って計画を変更する順応性を持つことができる

『7つの習慣』より

スケジュールに入れていない依頼、お誘いなどがあった際は、手帳のミッションステートメントを見返し、そのあとに時間管理のマトリクスにあてはめて、自分のスケジュールを変更する必要があるものかどうか考えてみましょう。

冷静に判断し、その依頼、お誘いを断る、という判断もあります。「自分の大切なこと」を明確にすることで判断基準も明確になり、「自分の大切なこと」により多くの時間を使えるようになっていきます。


この手帳術、考え方を習得して自分の人生を充実させていきましょう。

7つの習慣が気になった方はまんがでわかるシリーズもおすすめです。