大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
SPIN営業術は、小型商談と大型商談の違いを分析し、大型商談を獲得するために生み出された営業の技術です。
SPINとは4つの質問の方のイニシャルを取って名付けられています。
S・・・Situation(状況)
P・・・Problem(問題)
I ・・・Implication(示唆)
N・・・Need-payoff(解決)
大型商談では上記の質問の中でも特に「示唆質問」を行うことが重要と考えられています。
示唆質問とは、商談相手の潜在ニーズを顕在ニーズとして認識してもらい、問題の深さを理解してもらうための質問です。
営業が相手の問題点を指摘し、解決策を提示したとしても相手がそれを問題だと認識していなければ商談が成約することはありませ。
本書では下記の流れについて解説がされているので大型商談を担当する営業の方におすすめです。
- STEP1状況把握
商談相手の現状を把握する
- STEP2問題特定
その中で解消すべき問題点を特定する
- STEP3示唆質問
示唆質問により、相手が認識していない潜在ニーズを
顕在ニーズとして理解してもらう - STEP4解決策提示
顕在ニーズとして理解してもらった上でそれが解決できた状態
をイメージしてもらい、サービスの提案を行う
チャレンジャー・セールス・モデル
本書では顧客との関係性を維持し、サービスを紹介するだけでは成約に結びつかなくなった環境下でも成果を出せる営業のスキルを分析し、体系化しています。
全世界6,000人超の営業を分析したところ、世界中の営業は下記の5タイプに分類できるそうです。
- ハードワーカー(勤勉タイプ)
- チャレンジャー(論客タイプ)
- リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
- ローンウルフ(一匹狼タイプ)
- リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)
この中で、ハイパフォーマーの比率が最も高いのは「チャレンジャー」で、全てのハイパフォーマーの40%を占めていたそうです。チャレンジャーの特性としては、下記のようなものが挙げられています。
・顧客のビジネスについて独自の視点を持ち、双方向の対話能力に長けている「チャレンジャー」は営業上のやりとりの中で差別化ポイントを指導する(教え導く)ことができる
・顧客のバリュードライバーや経済ドライバーを把握している「チャレンジャー」は、顧客組織の中の正しい人に正しいメッセージを伝え、共感を得られるよう適応することができる
・「チャレンジャー」はお金の話もいとわず、必要とあらば顧客に多少の無理強いができる。したがって、営業プロセスを支配することができる(主導権を握る)ことができる
『チャレンジャー・セールス・モデル』 より
このような能力は生まれ持った能力だろうと思う人もいるかもしれませんが、これらのパフォーマンスを発揮するためのスキルは後天的に身につけられるため、習得、育成が可能と説明されています。
営業としてレベルアップしたい、営業組織のレベルを挙げたいと思っている方におすすめです。
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